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『ファイナンシャル・プランニング』に関するスキルが重点テーマです。また、投資に関連して、『コーポレート・ファイナンス』や『会計』などについてもみていきます。

法定相続分

法定相続分は、法律によって定められている相続の割合です。民法では、遺言によって相続分が指定されていない場合に適用があります。また、遺言による相続分の指定が一部にとどまる場合、他の相続分について適用があります。

最初に、平成19年1月の2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 学科試験の問題をみてみます。なお、この学科試験の全問題は、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のWebサイト http://www.jafp.or.jp/ 、金融財政事情研究会のWebサイト http://www.kinzai.or.jp/ にて公開されています。

問題52 民法に定める相続分等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.相続人が配偶者と被相続人の両親の3人である場合、両親の法定相続分はそれぞれ6分の1である。

2.相続人が配偶者と長女の2人である場合において、遺言により長女の相続分を3分の1、配偶者の相続分を3分の2とすることはできる。

3.相続人が配偶者と被相続人の姉の2人である場合において、被相続人の姉が相続の放棄をしたときは、配偶者がすべての財産を相続する。

4.相続人が配偶者、被相続人の孫(相続開始時において死亡している長男の子)および二男の3人である場合、被相続人の孫の代襲相続分は3分の1である。

答えは、が間違っています。

被相続人の孫(相続開始時において死亡している長男の子)の代襲相続分は、長男が受けるべきであった相続分と同じになります。1/2×1/2=1/4 となります。

民法に定められている法定相続分のポイントなどを確認してみます。

配偶者の法定相続分

?他に相続人がないとき、すべて

?他の相続人が子(第一相続人)のとき、2分の1

?子が相続人でなく、他の相続人が直系尊属(第二相続人)のとき、3分の2

?子も直系尊属も相続人でなく、他の相続人が兄弟姉妹(第三相続人)のとき、4分の3

子(第一相続人)の法定相続分

?他の相続人が配偶者のみのとき、2分の1

?配偶者が相続人でないとき、すべて。直系尊属、兄弟姉妹があっても同じ。

※複数人の場合は均等割。ただし、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1。

直系尊属(第二相続人)の法定相続分

?他の相続人が配偶者のみのとき、3分の1

?子(第一相続人)が相続人のとき、なし。配偶者が相続人であってもなくても同じ。

?配偶者も子も相続人でないとき、すべて。兄弟姉妹があっても同じ。

※複数人の場合は均等割。

兄弟姉妹(第三相続人)の法定相続分

?他の相続人が配偶者のみのとき、4分の1

?子(第一相続人)が相続人のとき、なし。配偶者が相続人であってもなくても同じ。

?直系尊属(第二相続人)が相続人のときも、なし。配偶者が相続人であってもなくても同じ。

?配偶者も子も直系尊属も相続人でないとき、すべて

※複数人の場合は均等割。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1。

代襲相続

被相続人の子が、相続開始以前に死亡、あるいは相続人となることができない法定の欠格事由に該当するとき、もしくは廃除によって、その相続権を失っているとき、その者の子(被相続人の直系卑属の者に限る)が代襲者となり、相続人となります。これが代襲相続です。

さらに、代襲相続において代襲者となるべき者にも代襲原因(=相続開始以前に死亡、あるいは欠格、もしくは廃除)があるときは、その代襲者となるべき者の子が相続人となります。これが再代襲相続です。

再代襲相続は、代襲原因がある場合に、直系卑属が順次、代襲者となって相続人となります。

なお、相続の放棄をした者の代襲相続はありません。 代襲相続は、被相続人の兄弟姉妹についても認められていますが、兄弟姉妹の子までに限られています。つまり、兄弟姉妹の再代襲相続は認められていません。

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 (2011.08.28 21:00)