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『情報通信技術』に関するスキルのほかに、『情報セキュリティ』に関するスキルも重点テーマです。また、特に今後の『高速モバイル通信』と『インターネット』に注目していきます。

マルチキャスト

練習問題からはいります。

問題:IPv4のマルチキャストに関する記述のうち、適切なものはどれですか。

ア マルチキャストアドレスは、先頭1ビットが、”0”である。

イ マルチキャストアドレスには、クラスDのアドレスが使用される。

ウ マルチキャストパケットは、ネットワーク上のすべてのコンピュータによって受信される。

 

まず、IP アドレスは、主にクラスA、クラスB、クラスC の3つのクラスに分けられていることは、一般によく知られています。

クラスAは、サブネットマスクが 255.0.0.0 で、とり得るアドレスの範囲は、0.0.0.0 から 127.255.255.255 です。アドレスの先頭1ビットが、”0”です。

クラスBは、サブネットマスクが 255.255.0.0 で、とり得るアドレスの範囲は、128.0.0.0 から 191.255.255.255 です。アドレスの先頭2ビットが、”10”です。

クラスCは、サブネットマスクが 255.255.255.0 で、とり得るアドレスの範囲は、192.0.0.0 から 223.255.255.255 です。アドレスの先頭3ビットが、”110”です。

ほかに、クラスDという特別なクラスが決められています。クラスDのアドレスの範囲は、224.0.0.0 から 239.255.255.255 です。アドレスの先頭4ビットが、”1110”です。マルチキャスト(multicast)専用のアドレスです。

 

ところで、IP による通信は、ユニキャスト(unicast)と呼ばれる1対1の通信と、ブロードキャスト(broadcast)と呼ばれる1対Nの通信が一般的です。

クラスDにおけるマルチキャスト通信も、1対Nの通信ですが、ブロードキャスト通信との違いは、ブロードキャスト通信は、同一のネットワーク ID のアドレスが割り当てられているホストすべてに対する通信であるのに対して、マルチキャスト通信は、ホストグループ(マルチキャストグループ)と呼ばれる論理ネットワークに登録されているすべてのホストやルータに対する通信となります。

 

上記の問題の答えは、イとなります。

 

ちなみに、マルチキャストに関連する用語をいくつかみてみます。

IGMP(Internet Group Management Protocol)は、ホストグループ(マルチキャストグループ)を管理するプロトコルです。主に、ホストやルータがグループに参加/離脱することを管理します。

RTP(Real-time Transport Protocol)と RTPC(Real-time Transport Control Protocol)、さらに RTSP(Real-time Streaming Protocol)と、マルチキャスト通信との組み合わせで、動画データなどの同時配信のしくみに利用することができます。なお、これらのプロトコルは、ユニキャストでも使われます。

IP マルチキャスト放送は、簡単にいうと、マルチキャストを利用した放送ということになります。インターネットの技術面よりも、著作権問題から認知されている方も多いことと思います。

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 (2011.08.28 21:00)