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民法(基本原則)の最近のブログ記事

契約における信義則上の義務

民法の契約自由の原則は、私的自治の原則の考えから、私人間において当事者の自由な意志によって契約の内容を定めて締結できる、という原則ともいえます。

契約は当事者が相互に信頼しあって締結し、契約関係にある当事者は相互に相手方の信頼に応えるように誠実に行動しなければなりません。民法1条2項の信義誠実の原則(信義則)による義務となります。

 

第一条(基本原則)
 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
 権利の濫用は、これを許さない。

 

契約における信義則上の義務に関連して、契約上の付随義務、原則をいくつか簡単にあげてみます。

1.契約締結上の注意義務。契約当事者は、無効な契約締結のすることのないようにする注意義務をいいます。この注意義務を怠って契約の相手方に不測の損害を与えた場合は、契約締結上の過失責任が問題になります。

この契約締結上の過失責任は、

  1. 契約の内容が客観的に不能な内容であるために、契約が原始的無効である。
  2. 給付をしようとする者が、不能な内容であることを過失により知らなかった。
  3. 相手方が善意・無過失である。

の場合に認められると考えられています。

2.安全配慮義務。契約当事者の一方または双方が相手方の生命・身体などの安全を配慮すべき義務をいいます。

3.事情変更の原則。契約締結後、社会経済事情に、契約当事者が予想しえなかった急激な変動が生じた場合、契約の内容をこのような事情の変化に応じて変更修正し、場合によっては解約することもある程度認められる原則をいいます。事情変更によって当事者が契約を履行することが客観的にみて信義則上著しく不合理である場合に認められます。

民法の基本原則

民法の条文にはありませんが、民法のテキストには必ず取り上げられている民法の基本原則についてみてみたいと思います。

  • 権利能力平等の原則
  • 所有権絶対の原則
  • 私的自治の原則
  • 契約自由の原則
  • 過失責任の原則

条文にないため、いくつかの説がありますが、主にあげられるのがこの5つです。とても簡単にその内容をあげてみます。

権利能力平等の原則は、すべての自然人は等しく権利能力を有する、とするものです。

所有権絶対の原則は、私的所有権を認め何人に対しても主張できる権利である、とするものです。

私的自治の原則は、個人の自由な意思に基づいて私法上の法律関係を形成できる、とするものです。

契約自由の原則は、私法上の契約関係は個人の自由な意思によって決定される、というものです。

過失責任の原則は、過失がなければ責任を問われない、というものです。

内容の定義についても説がいくつもありますので、これに限られたものではありません。また、それぞれの原則は、相互に影響しあう関係にもあります。

つぎに、民法第1条は、基本原則についての条文です。

 

第一条(基本原則)
 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
 権利の濫用は、これを許さない。

 

私権の社会性を規定し、社会一般の倫理観念を要請する規定と位置づけられています。

なお、第2項は信義誠実の原則あるいは信義則、第3項は権利濫用の禁止、といわれています。

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 (2011.08.28 21:00)