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『情報通信技術』に関するスキルのほかに、『情報セキュリティ』に関するスキルも重点テーマです。また、特に今後の『高速モバイル通信』と『インターネット』に注目していきます。

タイムボックス

 

これまで、情報処理技術者試験の午前試験問題で、RAD(Rapid Application Development)の特徴を問うものが何度か出題され、なんとなく印象に残っています。いずれも「タイムボックス」の説明が正解となっています。

RAD(Rapid Application Development)とは、部分的に定義された要求から開発を開始し、後続する開発で要求を見直していく開発手法で、プロトタイピングを繰り返して完成させていきます。

プロトタイピングを繰り返す手法として、スパイラルモデルがありますが、RADにおいては、「タイムボックス」を設定することに特徴があります。「タイムボックス」は、スパイラルモデルで懸念される無制限の繰り返しを防ぐために、開発期間をあらかじめ定めることを意味しています。

ちなみに、RADの特徴をあらわすキーワードとして、他に「ワークショップ」があります。「ワークショップ」は、ユーザを含めてすべての関係者が参加し協力するということを意味しています。

 

ところで、アジャイル開発関連の書籍を読んでいると、RADのことばがでてきます。RADを起源とするDSDM(ダイナミック・システム開発方法論)の説明のためです。

アジャイル開発において、「反復」または「繰り返し」をあらわすことばとして、イテレーション(iteration)が使われています。

そして、イテレーションの「タイムボックス」化と、その「タイムボックス」化したイテレーションの終了日の厳守を重要としています。なお、「タイムボックス」の終了日までに予定していたスコープのすべてが実現できないときは、終了日までに実現可能なスコープまでに縮小して完成させ、いかなるときも作業ペースを一定に保つことを重視しています。

関連して、RUP(Rational Unified Process)が有名です。イテレーションを、方向づけ、推敲、作成、移行、の4つのフェーズに体系化している点が特徴です。RUPにおいては、「タイムボクシング」ということばが定義されています。

タイムボクシング」は、最も重要な任務の目標に注力し、開発のトレードオフを発生させないようにするための構造を提供します。不可能あるいは不合理な目標を設定したり、「タイムボックス」の中で粗悪な品質のものを提供しようとするわけではありません。(『ラショナル統一プロセス≪RUP≫ガイドブック』より。)

タイムボックス」は、確実に、高い精度が求められてきています。

 

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 (2011.08.28 21:00)