FP3級学科試験主要用語集　C 金融資産運用

預貯金、投資信託、債券、株式といった主要な金融商品の仕組みや特徴、リスク、税金関係を概略的に理解します。NISAなどの非課税制度や預金保険制度、セーフティネットの目的も押さえておきましょう。

経済指標

経済の状況を示す統計データ（例：GDP（国内総生産）、消費者物価指数、景気動向指数、雇用統計）。
政策決定や市場動向の分析に活用され、投資判断にも影響を与える重要な指標。
たとえば、GDPが増加していれば景気回復が期待され、株式市場にプラスの影響を与える場合がある。

相場動向に応じた金融商品選択

経済状況や金利の動きに応じて、預貯金、債券、株式、投資信託などの金融商品を適切に選択すること。
たとえば、金利上昇局面では債券価格が下落しやすく、逆に預貯金や短期金融商品が選好される傾向にある。
一方で、景気拡大期には株式などリスク資産が注目されやすい。

株式

企業の資金調達のために発行される証券。株式を保有することで、企業の所有者としての権利（議決権、配当金を受け取る権利など）が得られる。

• 評価指標（PER、PBRなど）:

  • PER（株価収益率）: 株価が一株当たり利益の何倍かを示す指標。

  • PBR（株価純資産倍率）: 株価が一株当たり純資産の何倍かを示す指標。

為替

異なる通貨を交換すること。為替レートは、通貨間の交換比率を示す。
たとえば「1ドル＝150円」の為替レートは、1ドルを得るのに150円が必要であることを意味する。
為替レートの変動は、輸出入企業や外貨建て資産の価値に大きな影響を与える。

債券

国や企業などが資金調達のために発行する借用証書。満期まで保有すれば元本が返還され、定期的に利子が支払われる。

• 利付・割引方式:

  • 利付債: 定期的に利子が支払われる債券。

  • 割引債: 利子は支払われず、額面金額より低い価格で発行され、満期時に額面金額で償還されることで利益を得る債券。

• 複利: 利子を元金に組み入れて、次期の利子が元金と利子合計に対して計算される方式。

• 利回り・価格の関係: 債券の価格と利回りは逆方向に動く。金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が低下すると債券価格は上昇する。

• メリットとリスク（信用リスク、金利リスク、カントリーリスク）:

  • 信用リスク: 債券の発行体が債務不履行に陥るリスク。

  • 金利リスク: 金利変動により債券価格が変動するリスク。

  • カントリーリスク: 投資対象国の政治・経済情勢の変化により、投資先の価値が変動するリスク。

金利

資金を借りる際のコスト、または預貯金などでお金を貸す際に得られる収益の割合。
一般に中央銀行（日本では日本銀行）が政策金利を操作することで、経済全体の金利水準が影響を受ける。
金利の動向は住宅ローンや企業の資金調達コストにも直結する。

商品

金、原油、穀物などの実物商品。
通常は先物取引などを通じて売買され、インフレ時の資産保全手段として活用されることがある。
例：金は「安全資産」として、地政学リスクや金融不安時に需要が高まる。

マーケット環境の理解

金融市場における株式、為替、債券、金利、商品などの動きや相互関係を把握すること。

各種預貯金

普通預金、定期預金、積立預金など。
金融機関への預け入れによる元本保証型の資産運用方法であり、預金保険制度の対象となる（1金融機関あたり元本1,000万円とその利息まで保護）。

信託商品

顧客が信託銀行などに金銭や有価証券などを預け、運用や管理を任せる商品。

純金積立

毎月一定額で金を購入し積立てる方法。

抵当型商品

不動産などを担保として資金を借り入れる、または投資する商品。

金利・利回り計算の仕組み

預貯金や債券などの利子や収益の計算方法。

投資信託

投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、その成果を投資家に分配する金融商品。

• 仕組み: 多数の投資家から資金を集め、まとめて運用。

• 購入時手数料: 投資信託を購入する際に支払う手数料。

• 運用管理費用（信託報酬）: 投資信託の運用や管理にかかる費用で、信託財産から日々差し引かれる。

• 信託財産留保額: 投資信託を換金する際に、信託財産中に留保される費用。

• ディスクロージャー（目論見書、運用報告書）:

  • 目論見書: 投資信託の内容やリスクなどが記載された書類。

  • 運用報告書: 投資信託の運用状況や実績が記載された書類。

各種利回り計算

債券投資における応募者利回り、最終利回り、直接利回りなど。

経過利子計算

債券売買の際に、前回利払い日から売買成立日までの未払い利子相当額を買い手から売り手へ支払うこと。

株式投資関連商品

株式ミニ投資、株式累積投資など。

国内株式市場の種類

東証プライム、スタンダード、グロースなど。

代表的な株式指数

日経平均株価、TOPIXなど。

相場の見方と銘柄選定手法

経済状況、企業業績、チャート分析などから株価の動きを予測し、投資する銘柄を選ぶ方法。

外貨預金

外貨で預金すること。
為替レートの変動により、円に換算した元本や利息に損益が発生する可能性がある（為替リスク）。
また、預金保険制度の対象外である点に注意が必要。

外貨建MMF（マネー・マーケット・ファンド）

外貨建てで運用される投資信託の一種。

外国為替売買の性質

異なる通貨を売買すること。為替レートは変動し、為替差益や為替差損が生じる。

円換算投資利回り計算

外貨建てで投資した資産を円に換算した場合の利回り。

貯蓄型保険

死亡保障だけでなく、貯蓄性も兼ね備えた保険（養老保険、こども保険、個人年金保険）。
満期時に保険金が支払われたり、将来の年金原資として活用できる点が特徴。
ただし、途中解約時には元本割れのリスクもある。

変額保険

保険金や解約返戻金が、運用実績によって変動する保険。

法人向け保険商品

法人における福利厚生や事業保障のための保険。

金融派生商品（デリバティブ取引）

株価指数先物、オプション取引など。原資産の価格から派生した価値を持つ金融商品。

ポートフォリオ運用

複数の金融資産を組み合わせて投資すること。

• 投資リスクの基本: リスクとリターンはトレードオフの関係にある。

• 分散投資の重要性: 複数の資産に分散して投資することで、リスクを軽減できる。

• アセットアロケーション: 資産（アセット）をどのような比率で配分（アロケーション）するかを決定すること。

• リバランス: 資産配分が当初の比率からずれた場合に、定期的に調整することでリスク水準を維持する手法。

金融商品と税金

• 所得区分: 金融商品の種類によって、利子所得、配当所得、譲渡所得、一時所得など、異なる所得区分に分類される。

• 譲渡益課税: 株式や投資信託などを売却して得た利益に課される税金。

• 少額投資非課税制度（NISA）: 一定額までの投資から得られる収益が非課税となる制度。

• マル優、特別マル優: 高齢者や障害者などに対する少額預貯金などの利子所得非課税制度。

• 財形貯蓄制度: 勤労者の財産形成を支援する制度で、一定の要件を満たすと非課税措置がある。

預金保険制度

金融機関が破綻した場合に、預金者を保護する制度。

保険契約者保護機構

保険会社が破綻した場合に、保険契約者を保護する制度。

金融サービス提供法

金融商品の販売や勧誘における顧客保護を目的とした法律。

消費者契約法

消費者と事業者間の契約の適正化を図る法律。

外貨建商品と外国為替及び外国貿易法の関係

外貨建て金融商品に関する規制を定めた法律。