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FP2級学科試験主要用語集 A. ライフプランニングと資金計画

個人の生涯にわたる資金計画を立てる上で必要な、基本的な考え方や制度に関する知識が求められます。

ライフプランニングの基本

ライフプランニングの目的と効用
個人のライフステージに応じた目標を定め、それを実現するための資金計画を立てるプロセスとその効果。将来の収支やリスクを可視化し、安心して生活できる基盤を整えます。

ライフイベント表
結婚、出産、住宅購入などの将来イベントと、それに伴う支出を年次で整理した表。資金計画の基礎資料となります。

キャッシュフロー表
将来の収入・支出・貯蓄残高などを年単位で一覧化した表。資金の過不足を把握するために活用されます。

各ライフステージにおける一般的テーマ
就職、結婚、出産、住宅購入、教育、リタイアメントなどのライフイベントに伴う資金ニーズやリスクについて理解することが重要です。

ライフプラン上の各種統計数値の把握
平均寿命、初婚年齢、出生年齢、貯蓄額、教育費、生活費などの統計データを参照し、現実的な計画を立てます。

可処分所得(手取り収入)
給与収入から所得税、住民税、社会保険料を控除した後の、実際に使える所得を指します。

金融リテラシー
家計管理、投資判断、保険制度の理解など、金融に関する基本的な知識と判断力を指します。

ファイナンシャル・プランナー(FP)の役割と倫理

FPの職責
顧客のライフプラン実現を支援する専門職。中立的な立場でアドバイスを行い、顧客利益を最優先します。

6つのFP業務領域

  • ライフプランニングと資金計画

  • リスク管理

  • 金融資産運用

  • タックスプランニング

  • 不動産

  • 相続・事業承継

FPの倫理
守秘義務、顧客利益の優先、説明責任、適合性原則など、職業倫理の遵守が求められます。

社会保険制度(公的保険)

社会保険(5種類)

  • 健康保険

  • 厚生年金保険

  • 国民年金

  • 雇用保険

  • 労災保険

  • 公的介護保険は40歳以上から加入義務があり、別途扱われます。

健康保険
医療費の一部を公的に負担する制度。被扶養者も対象となります。

厚生年金保険
会社員等が加入する、国民年金の上乗せ年金です。

国民年金
20歳以上の全国民が対象の基礎年金制度です。

雇用保険
失業手当、育児休業給付、介護休業給付などを支給します。

労災保険
業務中や通勤中の事故等による傷病に対して給付を行います。

介護保険
要介護認定を受けた40歳以上が利用可能。介護サービスに対する給付を行います。

被扶養者と扶養控除の違い
社会保険の被扶養者と、税制上の扶養控除は適用条件が異なります。特に、年収による所得制限や同居の有無などがポイントです。

公的年金制度

年金の3階建て構造

  • 1階:国民年金(老齢基礎年金)

  • 2階:厚生年金(老齢厚生年金)

  • 3階:企業年金・個人年金・iDeCo等

老齢基礎年金
国民年金から支給される年金。満額支給には原則10年以上の加入期間が必要です。

老齢厚生年金
厚生年金に加入していた人に支給される、報酬に比例する部分の年金です。

障害年金
病気や怪我で障害を負った場合に支給されます。

遺族年金
被保険者が死亡した場合に、遺族(配偶者や子など)に支給される年金です。

在職老齢年金
年金受給者が働きながら年金を受け取る場合の、年金額の調整制度です。

私的年金制度

個人年金保険
民間保険会社が提供する年金。公的年金を補完する目的で利用されます。

企業年金
企業が従業員の退職後生活を支援する制度。

例:確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金(DC)

退職金制度
企業が独自に設ける退職時の一時金支給制度。年金と併用されることもあります。

教育資金・住宅資金

教育資金
学費、塾代、習い事など、子どもの成長過程で必要となる支出。計画的な準備が不可欠です。

教育ローン
教育費を補うための借入。国(日本政策金融公庫)や金融機関が提供します。

奨学金
貸与型と給付型の制度があります。日本学生支援機構(JASSO)が代表的です。

住宅資金
住宅購入・建築・リフォーム等に必要な資金。

住宅ローン
住宅取得のための長期借入。返済計画や金利形態(固定・変動)の選択が重要です。

財形住宅貯蓄
勤労者向けの住宅資金専用積立制度。利子が非課税となるなどの優遇があります。

中小企業の事業承継

事業承継対策
中小企業経営者が引退時に、後継者へのスムーズな引き継ぎを行うための計画や手続き。税制優遇制度も存在します。

その他の重要用語

人生100年時代
平均寿命が延び、100歳まで生きる可能性が現実に。より長期的な視点での資産管理が必要とされます。

資産寿命
保有資産が寿命と同等以上持続すること。資産の計画的かつ効率的な活用が重要です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)
個人が加入し、自ら運用する年金制度。掛金は全額所得控除、運用益は非課税、受取時も控除対象と税制優遇が大きいです。

NISA(少額投資非課税制度)
株式や投資信託の運用益が非課税となる制度。2024年以降は「新NISA」として制度が恒久化され、投資枠も拡大されました。

つみたてNISA
長期・積立・分散投資を支援するNISA制度の一種。投資信託のみが対象でした。(2023年までで、新NISAに統合)

働き方の多様化
副業・兼業、フリーランス、ギグワークなど、雇用形態の変化が進行中。それに伴い社会保障や税制への理解も重要になります。

FinTech(フィンテック)
Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、IT技術を活用した新たな金融サービス全般を指します。スマートフォン決済、ロボアドバイザー、クラウド会計などが代表的です。

ESG投資(Environmental, Social, Governance Investing)
企業の環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)への取組を考慮して行う投資。持続可能な社会への貢献と長期的なリターンの両立を目指します。

SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)
国連が掲げる2030年までの国際目標。持続可能な社会の実現に向けて、金融・投資・企業活動にも大きな影響を与えています。

ファイナンシャル・プランニング
6つの係数

終価係数 : 元本を一定期間一定利率で複利運用したとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

現価係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

年金終価係数 : 一定期間一定利率で毎年一定金額を複利運用で 積み立て たとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

年金現価係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

減債基金係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で 積み立て るとき、毎年いくら ずつ積み立てればよいかを計算するときに利用します。

資本回収係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、毎年いくら ずつ受け取りができるかを計算するときに利用します。

積み立て&取り崩しモデルプラン

積立金額→年金額の計算 : 年金終価係数、終価係数、資本回収係数を利用して、複利運用で積み立てた資金から、将来取り崩すことのできる年金額を計算します。

年金額→積立金額の計算 : 年金現価係数、現価係数、減債基金係数を利用して、複利運用で将来の年金プランに必要な資金の積立金額を計算します。

ファイナンシャル・プランニング
債券利回り計算(単利)

最終利回り計算(単利) : 債券を購入時点から、最終償還日まで保有していた場合に得られる収益の利回りを単利にて計算します。

所有期間利回り計算(単利) : 債券の購入時点から、最終償還日前の売却時点までの所有期間に得られる収益の利回りを単利にて計算します。