ファイナンス、情報通信技術のスキル・アグリゲーション・サイト

' . iseeit.jp ファイナンス . '
 

FP3級学科試験主要用語集 D タックスプランニング

所得税の基本的な仕組み(収入、必要経費、所得控除、税額控除)は概略的に理解することが重要です。特に、各種所得の種類とその計算、所得控除・税額控除の種類と概要、確定申告や源泉徴収の仕組みは頻出ポイントです。適用される税率の仕組みや控除の適用条件なども確認しておきましょう。

税法体系

所得税法、法人税法、消費税法、相続税法など、税金に関する法律の全体構造。各税法は国の財政や社会政策を支えるための法的枠組みであり、租税法律主義(法律によらなければ課税できない原則)に基づいて運用される。

税の種類

税金は主に以下の2つに分類される。

  • 国税: 国に納める税金。例: 所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税、酒税、たばこ税など。

  • 地方税: 地方自治体(都道府県・市区町村)に納める税金。例: 住民税、事業税、固定資産税、自動車税など。

さらに、課税方法により直接税(所得税・相続税など)と間接税(消費税など)に分類される。

所得税の仕組み

所得税の基本的事項(定義、納税地、収入金額、必要経費、非課税所得と課税所得):

  • 所得税: 個人の1年間(1月1日〜12月31日)の所得に対して課される国税で、超過累進税率が適用される。

  • 納税地: 所得税を納める場所。原則としてその年の1月1日現在の住所地が基準。

  • 収入金額: 収入の総額で、源泉徴収される前の金額。

  • 必要経費: 所得を得るために直接要した費用。事業所得や不動産所得などで適用される。

  • 非課税所得: 法律により課税されない所得。例: 通勤手当(一定額まで)、損害保険金、遺族年金、失業給付など。

  • 課税所得: 総所得金額から所得控除を差し引いた後の金額。所得税額はこの課税所得に基づいて計算される。

所得の計算手順: 所得区分ごとに計算し、総所得金額を求める。

例: 収入金額 - 必要経費 = 所得金額(事業所得の場合)。

税額の計算方法(納付税額、租税特別措置法、総合課税と分離課税):

  • 税額の計算方法: 課税所得金額 × 所得税率 - 税額控除額 = 算出税額。

  • 租税特別措置法: 経済政策や特定業種の支援を目的とした税制優遇措置を定める法律。例: 中小企業の特別償却、投資減税など。

  • 総合課税: 複数の所得を合算し、累進税率を適用して課税する方式。

  • 分離課税: 一定の所得(例: 株式譲渡所得など)について、他の所得と分離して税率を適用する方式。申告分離課税と源泉分離課税がある。

復興特別所得税: 2013年から2037年まで、基準所得税額に2.1%を乗じた金額が追加課税される。

各種所得の内容

所得税法上の10種類の所得区分とその計算方法:

  • 利子所得: 公社債・預貯金の利子など。

  • 配当所得: 株式の配当金など。

  • 不動産所得: 不動産の賃貸による所得。

  • 事業所得: 事業から生ずる所得(農業・商業・工業・自由業など)。

  • 給与所得: 給料、賞与、手当など。

  • 退職所得: 退職手当、退職金など。特別な計算方法で課税。

  • 山林所得: 5年以上所有した山林の伐採や譲渡による所得。

  • 譲渡所得: 資産の譲渡による所得(不動産、株式等)。

  • 一時所得: 懸賞金や保険の満期金など、一時的な収入。

  • 雑所得: 上記以外の所得。年金、公的年金等も含まれる。

損益通算

一定の所得区分で発生した損失を、他の黒字の所得区分と相殺して課税所得を減らすこと。原則として不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得が対象。給与所得などとは通算できない。

所得控除

所得税額を計算する際に、課税対象となる所得から差し引ける控除。

  • 所得控除の種類: 雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除など。

税額控除

算出された所得税額から直接控除できる制度で、税負担軽減効果が大きい。

  • 税額控除の種類: 配当控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)、外国税額控除、政党等寄附金特別控除など。

源泉徴収

給与、利子、報酬などを支払う者が、支払時に所得税を天引きし、国に納付する制度。給与所得者の多くは年末調整で納税を完結させる。

  • 支払調書: 報酬や料金の支払いを行った者が、税務署へ提出する明細書。

  • 源泉徴収票: 1年間の給与、源泉徴収税額、控除額等が記載された書類で、勤務先が年末に交付する。

確定申告

納税者が自ら所得や税額を計算し、税務署に申告して納税する制度。給与所得者は原則不要だが、副収入がある場合や医療費控除を受ける場合などには必要となる。

青色申告

事業所得、不動産所得などのある納税者が、適切な帳簿を作成・保存し、所定の申告を行うことで、青色申告特別控除(最大65万円)などの税制上の優遇を受けられる制度。

延納

所得税の納税が困難な場合に、申請により納付期限を延長し、分割納付できる制度。利子税が課されることがある。

審査請求

税務署長などによる処分(更正・決定など)に不服がある場合、納税者が国税不服審判所に対して行う行政上の不服申立て。

個人住民税

地方税で、都道府県民税と市区町村民税から構成される。前年の所得に応じて課税される所得割と、均等に課される均等割がある。

個人事業税

個人が営む事業に対して、都道府県が課す地方税。事業の種類により税率が異なり、事業所得が290万円以下の場合は非課税。

ファイナンシャル・プランニング
6つの係数

終価係数 : 元本を一定期間一定利率で複利運用したとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

現価係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

年金終価係数 : 一定期間一定利率で毎年一定金額を複利運用で 積み立て たとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

年金現価係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

減債基金係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で 積み立て るとき、毎年いくら ずつ積み立てればよいかを計算するときに利用します。

資本回収係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、毎年いくら ずつ受け取りができるかを計算するときに利用します。

積み立て&取り崩しモデルプラン

積立金額→年金額の計算 : 年金終価係数、終価係数、資本回収係数を利用して、複利運用で積み立てた資金から、将来取り崩すことのできる年金額を計算します。

年金額→積立金額の計算 : 年金現価係数、現価係数、減債基金係数を利用して、複利運用で将来の年金プランに必要な資金の積立金額を計算します。

ファイナンシャル・プランニング
債券利回り計算(単利)

最終利回り計算(単利) : 債券を購入時点から、最終償還日まで保有していた場合に得られる収益の利回りを単利にて計算します。

所有期間利回り計算(単利) : 債券の購入時点から、最終償還日前の売却時点までの所有期間に得られる収益の利回りを単利にて計算します。