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FP2級学科試験主要用語集 B. リスク管理

生活における様々なリスク(死亡、病気、災害など)に対し、保険を通じてどのように対応するかという知識が求められます。

保険の仕組みと種類

保険の基本原理
多数の人が保険料を出し合い、万一の事故や損害が発生した際に保険金を給付する相互扶助の仕組みです。

生命保険
人の生死や健康状態に関わるリスクを保障する保険。

  • 定期保険:一定期間に死亡または高度障害が生じた場合に保険金が支払われる。満期金はありません。

  • 終身保険:一生涯にわたって保障される。死亡時に必ず保険金が支払われます。

  • 養老保険:死亡・高度障害時または満期まで生存した場合に保険金が支払われる。貯蓄性が高い点が特徴です。

  • 変額保険:保険料の一部を特別勘定で運用。運用成果により死亡保険金や解約返戻金が変動します。

  • 医療保険:入院、手術、通院などに対して給付金が支払われる保険です。

  • がん保険:がんと診断された場合に一時金、入院給付金等が支払われます。

  • 就業不能保険:病気や怪我により働けない間の収入を補償します。

  • 外貨建保険:保険料・保険金・解約返戻金などが外貨で運用されるため、為替リスクがあります。

損害保険
偶然な事故により発生した損害(物的・財産的・人的)に対して補償する保険。

  • 自動車保険:対人賠償、対物賠償、車両保険、人身傷害補償などを提供します。

  • 火災保険:火災、落雷、風災などによる建物・家財の損害を補償します。

  • 地震保険:地震・津波・噴火による損害を補償(火災保険に付帯して契約)。

  • 傷害保険:偶然な事故によるケガに対して保険金を支払います。入院・通院・手術費用など。

  • 賠償責任保険:他人に損害を与えた場合の法的賠償責任に備える保険(個人賠償責任保険など)。

第三分野保険
生命保険・損害保険のどちらにも属さない、医療保険・がん保険・介護保険などの保険を指します。

共済(協同組合保険)
JA共済、生協共済など、非営利団体による相互扶助的保険制度。一般的に掛金が安価で、簡易な手続きが特徴です。

保険に関する税務

生命保険料控除
所得控除の対象。

  • 一般生命保険料控除

  • 介護医療保険料控除

  • 個人年金保険料控除 (旧制度と新制度があり、適用される上限額が異なります。)

損害保険料控除(旧制度) 現在は地震保険料控除のみ適用されます。一般の火災保険料などは対象外です。

保険金の課税関係

  • 死亡保険金:契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって、「相続税・所得税・贈与税」のいずれかが課される可能性があります。

  • 満期保険金:一時所得や贈与税の対象となることがあります。

生命保険募集人の倫理と関連法規

保険業法
保険会社や保険募集人に対し、適合性の原則(顧客の意向や状況に合った商品提供)、情報提供義務誤認防止義務などを課す法律です。

金融サービス提供法(旧称:金融商品の販売等に関する法律)
顧客保護を目的に、誤認防止・書面交付義務・勧誘方針の明示などを義務づけます。

保険募集人の倫理
顧客本位、説明責任、誠実義務などが要求され、違反行為には業務停止などの罰則も規定されています。

リスクとその種類

自然災害リスク(Natural Disaster Risk)
地震、台風、津波、洪水、土砂災害などによる損害。特に地震保険や火災保険での備えが重要です。

サイバーリスク(Cyber Risk)
不正アクセス、情報漏洩、ランサムウェア攻撃などによる損失リスク。

→ 対応策:サイバー保険、情報セキュリティの強化。

パンデミックリスク(Pandemic Risk)
感染症の世界的流行により、健康・労働・経済活動に大きな影響を及ぼすリスク(例:新型コロナウイルス)。 → 医療保険、就業不能保険、企業の危機管理対策が重要です。

健康寿命(Healthy Life Expectancy)
日常生活に制限のない健康な期間。健康寿命の延伸は、医療費・介護費の抑制と生活の質の向上につながります。

長寿リスク(Longevity Risk)
平均寿命の延伸により、老後資金が不足するリスク。年金、個人年金保険、iDeCo等で対応することが考えられます。

ESG保険(ESG Insurance)
ESG要素(環境・社会・ガバナンス)を評価し、持続可能な事業への保険提供や、再生可能エネルギー関連のリスクに対応する保険商品です。

モラルリスク
保険契約者や被保険者が、保険金を得る目的で事故を偽装するなど、モラルに反する行為によりリスクが増大すること。

保険契約者保護機構
保険会社が破綻した場合に契約者を保護する制度(生命保険契約者保護機構、損害保険契約者保護機構)。

その他の重要用語

インシュアテック(InsurTech)
保険(Insurance)と技術(Technology)の融合による新しい保険サービス(例:オンライン契約、AIによるリスク分析等)。

団体信用生命保険(団信)
住宅ローン契約時に加入する生命保険。契約者が死亡または高度障害になった場合にローン残債を保険金で返済します。

リスクマネジメント
リスクの識別・分析・評価を行い、最適な保険や予防策を講じて損失を最小限に抑える取り組み。

ファイナンシャル・プランニング
6つの係数

終価係数 : 元本を一定期間一定利率で複利運用したとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

現価係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

年金終価係数 : 一定期間一定利率で毎年一定金額を複利運用で 積み立て たとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

年金現価係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

減債基金係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で 積み立て るとき、毎年いくら ずつ積み立てればよいかを計算するときに利用します。

資本回収係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、毎年いくら ずつ受け取りができるかを計算するときに利用します。

積み立て&取り崩しモデルプラン

積立金額→年金額の計算 : 年金終価係数、終価係数、資本回収係数を利用して、複利運用で積み立てた資金から、将来取り崩すことのできる年金額を計算します。

年金額→積立金額の計算 : 年金現価係数、現価係数、減債基金係数を利用して、複利運用で将来の年金プランに必要な資金の積立金額を計算します。

ファイナンシャル・プランニング
債券利回り計算(単利)

最終利回り計算(単利) : 債券を購入時点から、最終償還日まで保有していた場合に得られる収益の利回りを単利にて計算します。

所有期間利回り計算(単利) : 債券の購入時点から、最終償還日前の売却時点までの所有期間に得られる収益の利回りを単利にて計算します。