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FP2級学科試験主要用語集 F. 相続・事業承継

相続や贈与に関する基本的な知識、事業を次世代に引き継ぐ際の対策などに関する知識が求められます。

相続

相続
死亡した人(被相続人)の財産(遺産)を、法律や遺言に基づき、相続人が承継すること。

相続人
遺産を受け取る権利のある人。民法で定められた法定相続人は、配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹などがあり、順位と範囲が定められています。

  • 法定相続分:民法で定められた、法定相続人ごとの遺産の取り分。

  • 代襲相続:相続人が被相続人より先に死亡している場合、その子や孫が代わって相続すること。

遺産
被相続人が残した財産。プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(借金、債務など)も含まれます。

遺言
被相続人が生前に、自身の財産の分け方などについて意思表示をした文書。遺言があれば法定相続分と異なる分配も可能です。

  • 自筆証書遺言:全文を自筆で書き、日付・署名・押印が必要。法務局での保管制度も利用可能です。

  • 公正証書遺言:公証人が作成する遺言。方式不備が少なく、紛争を避けやすいというメリットがあります。

  • 秘密証書遺言:遺言の内容を秘密にできるが、形式上の不備で無効となるリスクがあります。

遺留分
一定の相続人(兄弟姉妹以外の法定相続人)に、最低限保障される相続財産の割合。

  • 遺留分侵害額請求:遺留分を侵害された相続人が、他の相続人に対して金銭の支払いを請求できる権利。

相続放棄
相続人が、プラス財産もマイナス財産も一切相続しないとする意思表示。家庭裁判所へ申述が必要です。

限定承認
相続財産の範囲内で、被相続人の借金などの債務を引き継ぐ方法。家庭裁判所への申述が必要です。

相続税

相続税
被相続人の財産を相続した人に対して課される国税。

相続税の基礎控除
相続税が課税されない非課税枠。

  • 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
    この金額を超えた課税遺産に対して相続税が課税されます。

相続時精算課税制度
生前贈与した財産を、贈与時には一定額まで非課税とし、相続時にその財産を一括して相続財産に合算し、相続税を精算する制度。

  • 贈与時には贈与税が課税されるが、累計2,500万円まで非課税。この枠を超えると一律20%の贈与税が課されます。

  • 主に60歳以上の親(祖父母)から18歳以上の子(孫)への贈与で選択可能です。

小規模宅地等の特例
被相続人の自宅や事業用の土地などについて、相続税の評価額が大幅に減額される制度。

例:自宅敷地330㎡まで80%減額。事業用宅地は400㎡まで80%減額など。

贈与

贈与
財産を無償で他人に与える行為。後々のトラブルを避けるためにも、書面による贈与契約が望ましいです。

贈与税
贈与を受けた人に課される国税。1年単位で判定されます。

贈与税の基礎控除
年間110万円までの贈与は非課税。これを暦年課税制度の基礎控除といいます。

暦年課税制度
贈与税の原則的な課税方法。毎年の贈与額に応じて超過累進税率で課税されます。

教育資金の一括贈与の非課税制度
子や孫の教育資金として一括贈与した場合に、一定額まで非課税(最大1,500万円)。金融機関を通じて管理されることが要件です。

事業承継

事業承継
中小企業の経営者が、後継者に経営権、資産、ノウハウなどを引き継ぐこと。円滑な事業継続のために重要なプロセスです。

事業承継税制(非上場株式等の納税猶予)
一定要件を満たした場合、非上場株式などの贈与税や相続税の納税が猶予・免除される制度。

  • 生前贈与(贈与税の納税猶予)と死亡時(相続税の納税猶予)の両方で利用可能です。

  • 適用には「認定承継会社」や「認定経営承継相続人」などの要件があります。

後継者の種類

  • 親族内承継:信頼関係が築きやすいが、経営能力の検証や他の親族との調整が必要となることもあります。

  • 親族外承継:従業員などを後継者に指名する場合。社内調整や従業員の育成が重要です。

  • M&Aによる第三者承継:事業の継続や成長が期待できるが、価格交渉や契約の整備が重要となります。

その他の重要用語

法定相続情報証明制度
戸籍関係書類の代わりに、相続手続きで使える公的な証明書。これを利用することで、複数の相続手続きが円滑に進められます。

遺産分割協議
相続人全員が遺産の分け方について合意する話し合い。協議が成立したら、遺産分割協議書を作成する必要があります。

納税資金対策
相続税は多額になることが多く、現金で納めるのが原則。そのため、相続税の納税に備えた生命保険の活用や不動産の売却準備など、生前からの対策が重要です。

生命保険金の非課税枠
被相続人の死亡により受け取る生命保険金には、一定額まで相続税が非課税となる枠があります。

  • 500万円 × 法定相続人の数
    この金額まで、相続税の課税対象から除外されます。

特定贈与財産・一般贈与財産
相続時精算課税制度を選択した贈与財産を「特定贈与財産」、それ以外の贈与財産を「一般贈与財産」と呼びます。これらは相続税・贈与税の計算上区別されます。

ファイナンシャル・プランニング
6つの係数

終価係数 : 元本を一定期間一定利率で複利運用したとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

現価係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

年金終価係数 : 一定期間一定利率で毎年一定金額を複利運用で 積み立て たとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

年金現価係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

減債基金係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で 積み立て るとき、毎年いくら ずつ積み立てればよいかを計算するときに利用します。

資本回収係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、毎年いくら ずつ受け取りができるかを計算するときに利用します。

積み立て&取り崩しモデルプラン

積立金額→年金額の計算 : 年金終価係数、終価係数、資本回収係数を利用して、複利運用で積み立てた資金から、将来取り崩すことのできる年金額を計算します。

年金額→積立金額の計算 : 年金現価係数、現価係数、減債基金係数を利用して、複利運用で将来の年金プランに必要な資金の積立金額を計算します。

ファイナンシャル・プランニング
債券利回り計算(単利)

最終利回り計算(単利) : 債券を購入時点から、最終償還日まで保有していた場合に得られる収益の利回りを単利にて計算します。

所有期間利回り計算(単利) : 債券の購入時点から、最終償還日前の売却時点までの所有期間に得られる収益の利回りを単利にて計算します。