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FP3級学科試験主要用語集 E 不動産

不動産取引のルール(宅建業法、重要事項説明など)、不動産に関する主な法規制(都市計画法、建築基準法など)を概略的に理解します。不動産の取得・保有・譲渡にかかる税金(不動産取得税、登録免許税、固定資産税、譲渡所得税)は、どのタイミングでどのような税金がかかるのかを概略レベルで把握し、特例の適用条件なども合わせて確認しましょう。

不動産の類型

土地(宅地、農地、山林など)、建物(居住用、事業用など)。土地と建物は別個の不動産として取り扱われ、登記上もそれぞれ独立して権利が設定される。用途や法的規制によって評価や取引の取り扱いが異なる。

不動産に関する調査(権利、現地、価格)
  • 権利調査: 登記簿謄本により所有権、抵当権などの権利関係を確認する。

  • 現地調査: 土地の形状、周辺環境、建物の状況などを実際に確認する。

  • 価格調査: 周辺相場、公示価格、路線価などを参考に価格を評価する。

都市計画図

都市計画区域内の土地の利用計画や用途地域などが示された地図。用途地域の種別(例えば第一種低層住居専用地域、商業地域など)により、建築可能な用途や建ぺい率・容積率が異なる。

宅地建物取引業

宅地や建物の売買・交換・賃貸の仲介などを行う事業。開業には都道府県知事または国土交通大臣の免許が必要であり、事務所ごとに専任の宅地建物取引士を設置する義務がある。

宅地建物取引士

宅地建物取引業法に基づき、宅地建物取引を行う際に、重要事項の説明などを行うことができる国家資格者。

重要事項説明書

宅地建物取引業者が、契約前に買主や借主に対し、物件や契約に関する重要な事項を説明する書面。

媒介契約

不動産売買や賃貸の仲介を不動産会社に依頼する契約。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、契約形態により依頼者の他社依頼の可否や業者の報告義務が異なる。

不動産の売買契約上の留意点
  • 手付金: 契約締結時に買主から売主へ支払われる金銭。解約手付としての性質を持つ。一定の要件を満たせば、買主は手付金を放棄することで、売主は倍額を返還することで契約を解除できる。

  • 危険負担: 売買契約締結後、引渡し前に目的物が滅失・損傷した場合の損害をどちらが負担するか。原則として引渡し前の滅失等は売主が負担する(民法改正後も基本的には同様の扱い)。

  • 契約不適合責任: 売買契約の目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しない場合の売主の責任。旧法の「瑕疵担保責任」に代わり、2020年の民法改正により導入された概念で、買主は修補、代金減額、契約解除、損害賠償を請求できる。

不動産の賃貸契約(借地法、借家法、借地借家法)

土地や建物の賃貸借契約に関する規定。現在は借地借家法に統合されている。契約の更新や立退き、正当事由の有無などについて借主保護の観点からの規定が多い。定期借地権・定期建物賃貸借契約など、期間満了により終了する契約も法的に整備されている。

都市計画法

都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための法律。都市計画区域の指定、用途地域の設定など。

建築基準法

建築物の敷地、構造、設備、用途などに関する最低基準を定めた法律。

国土利用計画法

国土の総合的かつ計画的な利用を図るための法律。土地取引の規制など。

農地法

農地の確保と有効利用を図るための法律。農地の売買や転用を規制する。

区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)

分譲マンションなどの区分所有建物に関する権利関係や管理について定めた法律。

不動産取得税

土地や家屋を取得した際に課される地方税。

登録免許税

不動産の登記(所有権移転登記など)を行う際に課される国税。

印紙税

特定の文書(売買契約書など)を作成する際に課される国税。

マイホームの取得と税金

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)、不動産取得税・登録免許税の軽減措置など。

固定資産税

土地や家屋などの固定資産に対し、毎年課される地方税。

都市計画税

市街化区域内の土地・家屋に対し、都市計画事業などに充てる目的で課される地方税。

個人の不動産の譲渡と税金
  • 譲渡所得: 土地や建物を売却して得た利益。所得税・住民税の課税対象となる。

  • 長期譲渡所得と短期譲渡所得: 所有期間によって税率が異なる。譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合は長期、5年以下の場合は短期。

  • 課税の特例: マイホーム売却の3,000万円特別控除、居住用財産の買換え特例など。

不動産所得

土地や建物の貸付けなどによる所得。所得税の課税対象となる。必要経費(固定資産税、修繕費、減価償却費など)を差し引いた金額が課税所得となり、総合課税方式で課税される。

不動産貸付と消費税

住宅の貸付けは非課税だが、事務所や店舗の貸付けは課税対象となる。なお、住宅の貸付であっても、礼金や更新料などの一部は課税対象となる場合があるため注意が必要。

借地権の税務

借地権の売買や評価に関する税務上の取り扱い。借地権の設定や譲渡には譲渡所得課税が発生する場合があり、相続税評価額は地域や契約内容に応じて路線価方式や倍率方式で算定される。

不動産投資と利回り

不動産投資における収益性を示す指標(表面利回り、純利回りなど)。表面利回りは年間賃料収入を購入価格で割ったもの、純利回りは諸経費を差し引いた実質的な利回りを示す。投資判断には空室率や修繕コスト、資産の流動性も考慮される。

不動産の有効活用

土地を有効に利用して収益を得る方法(自己建設方式、事業受託方式、土地信託方式、等価交換方式、建設協力金方式、定期借地権方式)。土地所有者と事業者の契約形態によって税務や権利関係が異なる。

不動産の証券化

不動産を裏付けとした有価証券を発行し、投資家から資金を調達すること。

投資信託及び投資法人に関する法律

不動産投資信託(J-REIT)に関する法規。

不動産投資信託(J-REIT)

不動産を投資対象とする投資信託。投資家は証券取引所を通じて売買できる。

ファイナンシャル・プランニング
6つの係数

終価係数 : 元本を一定期間一定利率で複利運用したとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

現価係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

年金終価係数 : 一定期間一定利率で毎年一定金額を複利運用で 積み立て たとき、将来いくら になるかを計算するときに利用します。

年金現価係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、現在いくら の元本で複利運用を開始すればよいかを計算するときに利用します。

減債基金係数 : 将来の一定期間後に目標のお金を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で 積み立て るとき、毎年いくら ずつ積み立てればよいかを計算するときに利用します。

資本回収係数 : 元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間 取り崩し ていくとき、毎年いくら ずつ受け取りができるかを計算するときに利用します。

積み立て&取り崩しモデルプラン

積立金額→年金額の計算 : 年金終価係数、終価係数、資本回収係数を利用して、複利運用で積み立てた資金から、将来取り崩すことのできる年金額を計算します。

年金額→積立金額の計算 : 年金現価係数、現価係数、減債基金係数を利用して、複利運用で将来の年金プランに必要な資金の積立金額を計算します。

ファイナンシャル・プランニング
債券利回り計算(単利)

最終利回り計算(単利) : 債券を購入時点から、最終償還日まで保有していた場合に得られる収益の利回りを単利にて計算します。

所有期間利回り計算(単利) : 債券の購入時点から、最終償還日前の売却時点までの所有期間に得られる収益の利回りを単利にて計算します。