iseeit.jp 情報通信技術

『情報通信技術』に関するスキルのほかに、『情報セキュリティ』に関するスキルも重点テーマです。また、特に今後の『高速モバイル通信』と『インターネット』に注目していきます。

OSI 参照モデル

ネットワーク試験等では、OSI 参照モデルは、必須事項で、基本中の基本事項です。コンピュータシステムは、階層構造であることも大きな特徴ですが、この OSI 参照モデルは、そのことをよくあらわしていると思います。

第7層 アプリケーション層 ネットワーク・アプリケーション・プロトコル。HTTP や FTP などを利用するためのアプリケーションインターフェース機能など。
第6層 プレゼンテーション層 データの表現形式を規定。コード変換や暗号化、圧縮などの機能。
第5層 セッション層 通信の開始・終了などの制御方式を規定。
第4層 トランスポート層 データ転送の信頼性を確保するための方式を規定。
第3層 ネットワーク層 ネットワーク同士の通信方式を規定。一般に、この層で扱うデータの単位をパケットという。
第2層 データリンク層 ネットワークに接続されている機器間での通信方式を規定。一般に、この層で扱うデータの単位をフレームという。
第1層 物理層 ネットワークの物理的な接続や伝送方式の仕様を規定。

ちなみに、IEEE802 の LAN では、データリンク層をさらに、論理リンク制御(Logical Link Control:LLC)と媒体アクセス制御(Media Access Control:MAC)の2つの副層(sublayer)に分割しています。

さて、OSI 参照モデルは、ネットワーク機能の階層をあらわしていますが、コンピュータシステムでは、さらにこの上位に、OS やミドルウェア、アプリケーションプログラムなど、階層を積み上げて表現することもあります。コンピュータシステムは、このような階層構造によって機能を分割し、効率化されているといえます。

ただ、このような多層構造であるがために、たとえば障害が発生したときに、原因調査に時間がかかってしまうことがよくあります。障害は、最上位層で認識されますが、その原因が下位層のどれかである場合もありますし、ネットワーク上の他の機器のどこかの層であったりすることもあります。

なお、システム関連の書籍では、このようなときの原因解明ノウハウに焦点をあてたものもよくみられます。層によって担当エンジニアも異なることがほとんどでしょうし、基本的にエンジニアは越権行為を好まないと思いますので、切り分けと連携が重要なのだろうと思います。

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 (2011.08.28 21:00)