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アーランの計算問題(2)

平成18年度情報処理技術者試験テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験の午後2試験の問1からです。なお、試験問題の全文については、情報処理技術者試験センターの Web サイト http://www.jitec.jp/ にて公開されています。

「問1 営業支援システムに関する次の記述を読んで、設問1から6に答えよ。」という出題です。

この問題文のなかから、呼量(アーラン)の計算に関係しそうな部分を抜き出します。




顧客が要求するサービスの判定には、音声ガイダンスに従って顧客が入力したトーン信号を使用する。IVRが、入力されたトーン信号に従って、音声による情報提供や営業店への電話転送を行う。

A社の調査結果では、顧客からの電話の8割は音声応答システムで対応可能であり、残りの2割は営業店での人による対応が必要な問い合わせであった。



全営業店を合計すると、ピーク時には1,000呼/時の問合せ電話を処理する必要があった。かかってきた電話に対して、音声応答システムで対応可能か、人による対応が必要かを判定するために、平均1.5分を必要とした。その判定後の音声応答システムによる対応は、1呼に対して平均4.5分であった。また、人による対応では、前記の判定時間を含めて平均15分必要であった。

以上の条件でのピーク時の呼量は、【 h 】アーランとなる。電話の呼損率を1%未満にするため、表4を用いて必要最小限の回線数を算定し、本社センタに設置されたVoIP-GWの外線電話着信用には【 i 】回線を準備することにした。




表4 呼損率表(呼損率1%未満)
呼量(単位:アーラン)   55    70    85   100   115   130 
必要回線数   69    85   101   117   133   149 



設問4で、【 h 】、【 i 】に入れる適切な数値が問われています。

問題文全部を読まないと、事例の状況は非常にわかりにくいと思いますが、この抜き出しだけでなんとか【 h 】、【 i 】は埋められるのではないかと思います。

まず、ピーク時の1,000呼/時のうち、8割は音声応答システム、2割は営業店での人による対応となります。

音声応答システムは、

800呼/時 × (1.5分+4.5分)÷60分 = 80アーラン

となり、営業店での人による対応は、

200呼/時 × 15分÷60分 = 50アーラン

となります。よって、

80アーラン + 50アーラン =130アーラン

【 h 】には、130が入ります。

さて、呼損率は、回線がつながらない確率をいいます。アーランB式という公式が使われますが、ちょっと複雑なので、呼損率表が便利です。問題文でも提示されています。

【 i 】には、呼量が130アーランで、呼損率を1%未満にするために必要最小限の回線数が入ります。表4から、130アーランで必要回線数は149であることになります。

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 (2011.08.28 21:00)