わが国の税制・税法体系
税法体系とは、課税の根拠・仕組みを定めた法律の体系です。日本では「租税法律主義」が採用されており、税金は国民を代表する国会が制定した法律に基づいてのみ課すことができます。
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税法の体系
租税法律:所得税法・法人税法・相続税法・消費税法など各税目を定める個別法。
租税特別措置法(措置法):政策目的から特別な優遇・負担措置を定める法律。毎年の税制改正で見直されます。
通達:税務当局(国税庁)が法律の解釈・運用方針を示すもの。法律ではないが実務上重要。
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FP3級学科試験主要用語集2026
個人の税金の全体像を「概略として理解すること」が目標です。所得税の仕組みと申告手続きを中心に、住民税・個人事業税まで個人課税を幅広く学びます。
テーマ1「わが国の税制」で税法体系と国税・地方税・直接税・間接税などの分類を把握し、テーマ2「所得税の仕組み」で所得税の基本構造(納税地・収入金額と必要経費の違い・非課税所得・総合課税と分離課税)を概略として理解します。
テーマ3「各種所得の内容」では10種の所得(利子・配当・不動産・事業・給与・譲渡・一時・雑・退職・山林)それぞれの計算方法を概略で押さえます。給与所得控除・公的年金等控除・退職所得の1/2課税などの計算ルールが問われます。テーマ4「損益通算」では通算できる所得とできない所得の区別と通算順序を理解します。
テーマ5「所得控除」は3級の頻出テーマです。15種の控除(雑損・医療費・社会保険料・生命保険料・地震保険料・配偶者・扶養・基礎控除等)の適用要件と控除額を概略として整理します。テーマ6「税額控除」では配当控除と住宅借入金等特別控除の概略を、テーマ7「申告と納付」では確定申告・青色申告・源泉徴収の仕組みを学びます。テーマ8〜9で個人住民税(均等割・所得割)と個人事業税の仕組みを概略で押さえ、テーマ10の最新動向で締めくくります。
税法体系とは、課税の根拠・仕組みを定めた法律の体系です。日本では「租税法律主義」が採用されており、税金は国民を代表する国会が制定した法律に基づいてのみ課すことができます。
税法の体系
租税法律:所得税法・法人税法・相続税法・消費税法など各税目を定める個別法。
租税特別措置法(措置法):政策目的から特別な優遇・負担措置を定める法律。毎年の税制改正で見直されます。
通達:税務当局(国税庁)が法律の解釈・運用方針を示すもの。法律ではないが実務上重要。
税金は様々な観点から分類できます。FP試験では「国税か地方税か」「直接税か間接税か」の2軸を押さえることが重要です。
国税と地方税
国税:所得税・法人税・相続税・贈与税・消費税・印紙税・登録免許税など。国(税務署・税関)が課税・徴収。
地方税:個人住民税・法人住民税・個人事業税・固定資産税・不動産取得税・自動車税など。都道府県・市区町村が課税・徴収。
直接税と間接税
直接税:税を負担する者が直接納税する税。所得税・法人税・相続税など。
間接税:税を負担する者(消費者)と納税する者(事業者)が異なる税。消費税・酒税・たばこ税など。
申告納税方式と賦課課税方式
申告納税方式:納税者自らが税額を計算し申告・納税する方式。所得税・法人税・消費税など。
賦課課税方式:税務当局が税額を決定し通知する方式。個人住民税・個人事業税・固定資産税など。
所得税とは、個人が1年間(1月1日〜12月31日)に得た所得に対して課される国税です。所得が多くなるほど税率が上がる超過累進税率が適用されます。
税率(超過累進税率)
課税所得金額に応じて5%〜45%の7段階の税率が適用されます。
例:195万円以下5%、195万円超330万円以下10%、330万円超695万円以下20%、695万円超900万円以下23%、900万円超1,800万円以下33%、1,800万円超4,000万円以下40%、4,000万円超45%
納税地
原則として、その年の1月1日現在の住所地の税務署に申告・納税します。
収入金額と必要経費
収入金額:源泉徴収される前の総受取額。必要経費:所得を得るために直接要した費用(事業所得・不動産所得等で計上)。所得金額=収入金額-必要経費。
非課税所得
所得税がかからない所得。通勤手当(月15万円まで)・遺族年金・失業等給付・傷病手当金・損害保険金(損害部分)・宝くじの当選金などが該当します。
所得税の計算は以下の手順で行います。全体の流れを把握することが、各論点の理解につながります。
STEP 1:各種所得金額の計算
10種類の所得区分ごとに「収入金額-必要経費(または控除額)」を計算して所得金額を算出します。
STEP 2:損益通算・繰越控除
一定の損失(不・事・山・譲)を他の所得と相殺して総所得金額等を算出します。
STEP 3:所得控除の適用
総所得金額等から15種類の所得控除を差し引いて課税総所得金額を算出します。
STEP 4:税額の計算
課税総所得金額×税率(超過累進)=算出税額。算出税額から税額控除を差し引いた金額が納付税額です。
FP試験ポイント:「収入→所得→総所得→課税所得→税額」の5段階のフローを押さえておくと、各論点の位置づけが明確になります。
課税方式は、複数の所得を合算して税額を計算する総合課税と、特定の所得を他と分離して税額を計算する分離課税に分かれます。
総合課税
給与所得・事業所得・不動産所得・一時所得・雑所得などを合算して累進税率(5〜45%)を適用する方式。所得が多いほど高い税率がかかります。
申告分離課税
他の所得と分離して一定税率を適用し、確定申告で納税する方式。土地・建物の譲渡所得(20.315%または39.63%)・株式等の譲渡所得(20.315%)・山林所得などが該当します。
源泉分離課税
支払い時に20.315%が天引きされ、申告なしで課税が完結する方式。預貯金の利子・一般公社債の利子などが該当します。
租税特別措置法
経済政策・社会政策上の目的から、本則の税率とは異なる特別な税率・控除を定める法律。居住用財産の3,000万円特別控除・上場株式等の軽減税率などがこれに基づいています。
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源を確保するため、2013年から2037年まで所得税と合わせて課される税金です。
税額の計算
復興特別所得税額=基準所得税額(算出した所得税額)×2.1%
そのため実際の税率は「所得税率×1.021」となります。例:所得税率15%の場合 → 実効税率15%×1.021+住民税5%=20.315%
「20.315%」は復興特別所得税を含めた税率です。「15%(所得税)+0.315%(復興)+5%(住民税)」の内訳を押さえましょう。
利子所得とは、預貯金・公社債の利子、公社債投資信託の収益分配金などから生じる所得です。
計算式
利子所得の金額=収入金額(必要経費の控除なし)
課税方式
原則として源泉分離課税(20.315%)。利払い時に差し引かれ、確定申告は不要です。障害者等が利用するマル優・特別マル優に該当する場合は非課税。
FP試験ポイント:利子所得は必要経費が認められない点と、源泉分離課税で申告が完結する点を押さえましょう。
配当所得とは、株式の配当金、投資信託の収益分配金(普通分配金)、剰余金の分配などから生じる所得です。
計算式
配当所得の金額=収入金額-株式等の取得のための借入金の利子
課税方式(上場株式等)
申告分離課税(20.315%)が原則。申告不要(源泉徴収のみ)または総合課税(配当控除の適用あり)を選択することもできます。申告分離課税を選択した場合は、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能です。
FP試験ポイント:三種類の課税方式(申告分離・総合・申告不要)のどれを選ぶかは、その年の所得水準と損益状況によって有利不利が変わります。
不動産所得とは、土地・建物・船舶・航空機などの貸付けによって生じる所得です。
計算式
不動産所得の金額=収入金額-必要経費
必要経費:固定資産税・損害保険料・減価償却費・修繕費・借入金利息(土地取得分を除く)など。
損益通算の注意点
不動産所得の赤字は、他の所得(給与所得等)と損益通算できます。ただし土地取得のための借入金利息に対応する部分の赤字は損益通算が認められません。
青色申告との関係
不動産所得者も青色申告を選択でき、青色申告特別控除(最大65万円または10万円)の適用を受けられます。
FP試験ポイント:「土地取得借入金の利息部分は損益通算不可」は頻出の落とし穴です。
事業所得とは、農業・漁業・製造業・小売業・サービス業・自由業(弁護士・医師等)など、継続的・反復的に行う事業から生じる所得です。
計算式
事業所得の金額=収入金額-必要経費
必要経費:仕入代金・人件費・地代家賃・減価償却費・広告宣伝費など事業遂行に直接必要な費用。
雑所得との区別
副業収入等が「事業所得」か「雑所得」かは、活動の継続性・反復性・独立性・収益性等から総合的に判断されます。帳簿書類の保存がある場合は事業所得として扱われやすくなります。
FP試験ポイント:事業所得の赤字は他の所得と損益通算できます。また青色申告特別控除(最大65万円)・純損失の繰越控除(3年間)が利用できます。
給与所得とは、勤務先から受け取る給与・賞与・手当などから生じる所得です。最も身近な所得区分で、会社員・パートタイム労働者等が対象です。
計算式
給与所得の金額=給与等の収入金額-給与所得控除額
給与所得控除は実際の必要経費に代わる概算控除。収入金額に応じた速算表で計算し、上限は195万円(収入850万円超)。
所得金額調整控除
給与収入が850万円超で、本人が障害者・特別障害者に該当する場合や、23歳未満の扶養親族がいる場合等に適用。(給与収入-850万円)×10%を給与所得から控除します。
特定支出控除
給与所得者の実際の業務関連支出(通勤費・資格取得費・転居費等)が給与所得控除額の2分の1を超えた場合、超過部分を追加控除できる制度。
FP試験ポイント:「給与所得=収入金額-給与所得控除額」の計算式は必須。給与所得控除の上限(195万円)も押さえましょう。
譲渡所得とは、土地・建物・株式・ゴルフ会員権・貴金属などの資産を売却(譲渡)したことによって生じる所得です。対象資産によって計算方法・課税方式が異なります。
一般的な計算式(株式等以外)
譲渡所得の金額=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
特別控除額:総合課税の譲渡所得は最高50万円の特別控除あり。
土地・建物の譲渡所得
申告分離課税。所有期間5年以下の短期譲渡所得(税率39.63%)と、5年超の長期譲渡所得(税率20.315%)に分かれます。居住用財産の場合は3,000万円特別控除等の特例があります。
株式等の譲渡所得
申告分離課税(20.315%)。上場株式等の譲渡損失は配当所得(申告分離)との損益通算・3年間の繰越控除が可能です。
総合課税の譲渡所得(一般動産等)
ゴルフ会員権・貴金属・書画骨董など。所有期間5年以下(短期)は全額が他の所得と合算、5年超(長期)は2分の1が合算されます。
FP試験ポイント:不動産は「5年境界で税率が大きく変わる(約2倍の差)」点が最重要。株式譲渡は「申告分離課税+損益通算・繰越控除の仕組み」を確認しましょう。
一時所得とは、継続的ではない一時的・偶発的な所得で、他の所得区分に当たらないものです。生命保険の満期保険金・解約返戻金(差益部分)・懸賞金・競馬の払戻金などが該当します。
計算式
一時所得の金額=収入金額-収入を得るために支出した費用-特別控除額50万円
課税対象額=一時所得の金額×1/2(総合課税の対象)
例:保険差益80万円 →(80万円-50万円)×1/2=15万円が他の所得に合算
主な該当例
該当する:生命保険の満期保険金・解約返戻金(差益)、懸賞金・賞金、競馬の払戻金(一時的なもの)、ふるさと納税の返礼品。
該当しない:継続的に競馬・パチンコ等で得る収入は雑所得。相続で受け取る生命保険金は相続税。
FP試験ポイント:「50万円の特別控除」と「課税対象は1/2」の二段階の計算がポイント。複数の一時所得は合算してから控除します。
雑所得とは、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時の9種類の所得に当てはまらない所得です。公的年金等・副業収入・暗号資産の売却益・外貨預金の為替差益などが該当します。
公的年金等の計算式
雑所得(公的年金等)の金額=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
公的年金等控除額は受給者の年齢(65歳以上か未満か)と収入金額に応じた速算表で計算。
業務・その他(副業収入等)
雑所得(業務・その他)の金額=収入金額-必要経費
副業収入が年間20万円以下の場合は確定申告不要(住民税の申告は別途必要)。
損益通算の制限
雑所得の赤字は他の所得との損益通算ができません(雑所得内での通算は可)。
FP試験ポイント:公的年金は「雑所得」・外貨預金の為替差益は「雑所得(総合課税)」・暗号資産の売却益も「雑所得(総合課税)」です。雑所得は損益通算不可の点も頻出です。
退職所得とは、退職手当・一時恩給・確定給付型年金の一時金受取など、退職を契機に受け取る一時的な所得です。税負担が軽くなるよう特別な計算方法が適用されます。
計算式
退職所得の金額=(退職収入金額-退職所得控除額)×1/2
ただし勤続年数5年以下の役員等の退職金は1/2を適用しない特例があります(短期退職手当)。
退職所得控除額
勤続年数20年以下:40万円×勤続年数(最低80万円)
勤続年数20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)
申告分離課税・源泉徴収
退職所得は申告分離課税。勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば、源泉徴収で課税が完結し確定申告が不要になります。
FP試験ポイント:退職所得控除額の計算式(20年の境界)と「×1/2」による課税所得の圧縮が頻出。控除額が大きいほど実質的な税負担が軽くなります。
山林所得とは、山林を伐採して売却したり、立木のまま譲渡することによって生じる所得です。ただし取得から5年以内の山林の譲渡は事業所得または雑所得として扱われます。
計算式
山林所得の金額=収入金額-必要経費-特別控除額50万円
課税方式
申告分離課税。5分5乗方式により税額を計算します(山林所得を5分の1に分割して累進税率を適用し、5倍することで税率の累進性を緩和)。
FP試験ポイント:「5年超の山林が対象」「特別控除50万円」「5分5乗方式」の三点が出題ポイント。10種類の所得の中では最も出題頻度が低めですが、申告分離課税である点は押さえましょう。
損益通算とは、一定の所得区分で生じた損失(赤字)を、他の黒字の所得と相殺して課税所得を減らす仕組みです。複数の所得を合算して課税する「総合課税」の枠組みの中で認められています。
損益通算ができる所得(4種類)
不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4種類の損失のみが、他の所得と損益通算できます。この4種類を「ふじさんじょう(不・事・山・譲)」と覚えると便利です。
損益通算ができない所得
給与所得・利子所得・配当所得・一時所得・雑所得の損失は損益通算できません。また下記の特定損失も通算対象外です。
例外的に損益通算できない損失
不動産所得:土地取得のための借入金利息に相当する部分の損失
譲渡所得:生活に通常必要でない資産(別荘・ゴルフ会員権等)の損失
譲渡所得:株式等の譲渡損失(他の総合課税所得との通算不可)
FP試験ポイント:「損益通算できるのは不・事・山・譲の4種類のみ」は最頻出です。雑所得・給与所得の赤字は通算できないことも必ず確認しましょう。
損益通算は決められた順序に従って行います。まず同一区分内で通算し、通算しきれない損失を他の所得と通算します。
第1次通算:経常所得グループ内での通算
利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・雑所得の6種類を「経常所得グループ」として合算します。このグループ内に赤字があれば同グループの黒字と通算します。
第2次通算:山林所得・譲渡所得との通算
第1次通算後に残った損失は、山林所得・退職所得・譲渡所得の順で通算します(これらに損失がある場合も経常所得グループと通算)。
通算後の総所得金額等
損益通算後に残った各所得の合計が総所得金額等となり、ここから所得控除を差し引いて課税所得金額を計算します。
災害・盗難・横領による損失(雑損控除の対象となる損失)が雑損控除で控除しきれなかった場合、その残額を翌年以降3年間にわたって繰越控除できます。
繰越しの要件
損失が生じた年と繰越控除を受ける各年の確定申告が必要です。
損益通算を行っても控除しきれなかった損失(純損失)を処理する制度です。
純損失の繰越控除(3年間)
純損失の金額を翌年以降3年間にわたって各年の総所得金額等から繰越控除できます。青色申告者は全額繰越可能。白色申告者は変動所得・被災事業用資産に係る損失のみ繰越可能です。
純損失の繰戻還付(青色申告者のみ)
青色申告者が純損失を生じた場合、翌年への繰越しに代えて前年の所得に繰り戻して所得税の還付を受けることができます(1年間)。
FP試験ポイント:「純損失の繰越は3年・青色申告者のみ全額繰越可能・繰戻還付は青色申告者のみ」の3点セットを押さえましょう。
マイホームを売却して損失が生じた場合に、一定の要件のもと損失を他の所得と損益通算し、通算しきれない損失を翌年以降3年間繰越控除できる制度です。
主な適用要件
売却した家屋の所有期間が譲渡年の1月1日現在で5年超(長期)であること。
譲渡年の合計所得金額が3,000万円以下であること(繰越控除適用年も毎年要件を満たす必要あり)。
住宅ローン残高がある場合・ない場合でそれぞれ適用できる特例が異なります。
特定の条件下で損失を翌年以降に繰越控除できる制度がほかにもあります。
上場株式等の譲渡損失の繰越控除
上場株式等の売却損が、その年の上場株式等の配当所得(申告分離)・利子所得との損益通算後も残る場合、翌年以降3年間、上場株式等の譲渡益・配当所得から繰越控除できます。確定申告(損失申告)が必要です。
特定居住用財産の買換え等の場合の損失の繰越控除
住宅ローンがある自宅を売却して損失が生じた場合の繰越控除特例(一定要件下で3年間)。
所得控除とは、課税所得金額を計算する際に総所得金額等から差し引くことができる控除項目です。個人の様々な事情(扶養家族・医療費・社会保険料等)を税負担に反映させる仕組みです。所得控除が大きいほど課税所得が減り、税額が低くなります。
所得控除の種類と順序
所得控除には15種類あります。これらを総所得金額等から差し引いた金額が課税総所得金額となり、これに税率を乗じて税額が計算されます。
合計所得金額・総所得金額等
各種所得控除の適用要件として「合計所得金額」や「総所得金額等」が基準になります。合計所得金額は損益通算前の各所得の合計(純損失・雑損失の繰越控除を差し引く前)。総所得金額等は損益通算後の各所得の合計です。多くの控除で「合計所得金額48万円以下」などの所得要件が設定されています。
雑損控除とは、災害・盗難・横領などによって生活に必要な資産に損害を受けた場合に適用される控除です。
控除額(いずれか多い方)
①(損害金額+災害等関連支出-保険等で補てんされた金額)-総所得金額等×10%
②(災害関連支出の金額-保険等で補てんされた金額)-5万円
対象外の資産・原因
棚卸資産・事業用固定資産は対象外(事業所得等で処理)。詐欺・恐喝による損失も対象外です。
控除しきれない分は翌年以降3年間繰越控除が可能です(雑損失の繰越)。
医療費控除とは、自己または生計を一にする配偶者・親族のために支払った医療費が一定額を超えた場合に適用される控除です。
控除額
(支払った医療費の合計額-保険金等で補てんされた金額)-10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)
控除限度額:200万円
医療費に含まれるもの・含まれないもの
含まれる:診療費・薬代・入院費・通院のための交通費(電車・バス等)・介護老人保健施設の費用など。
含まれない:健康診断費用(ただし異常が発見されて治療した場合は可)・美容整形費用・予防接種費用・通院のためのタクシー代(公共交通機関が使えない場合を除く)など。
セルフメディケーション税制(特例)
一定の市販薬(スイッチOTC医薬品等)の購入費が年間1万2,000円を超えた場合、超過分(最高8万8,000円)を控除できる特例。通常の医療費控除との選択適用です。
社会保険料控除とは、自己または生計を一にする配偶者・親族の社会保険料を支払った場合に、その全額を控除できる制度です。
対象となる社会保険料
健康保険料・国民健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・国民年金保険料・雇用保険料など。全額が控除対象となります(限度額なし)。
国民年金保険料の控除証明書は毎年秋に日本年金機構から送付されます。年末調整・確定申告に添付が必要です。
小規模企業共済・企業型確定拠出年金(企業型DC)・個人型確定拠出年金(iDeCo)等の掛金を支払った場合に、その全額を控除できる制度です。
対象となる掛金
小規模企業共済の掛金:小規模企業の経営者・個人事業主の退職金積立制度。
iDeCoの掛金(個人型DC):全額が控除対象。拠出限度額は職業・加入状況によって異なります。
企業型DC(マッチング拠出分):加入者が自ら上乗せ拠出した分が控除対象。
iDeCoは「掛金が全額所得控除・運用益非課税・受取時優遇」の三重優遇が特徴です。
生命保険料控除とは、生命保険・介護医療保険・個人年金保険の保険料を支払った場合に適用される控除です。2012年1月以降の新契約と2011年以前の旧契約で計算方法が異なります。
控除の3区分(新制度)
一般生命保険料控除:死亡保険・養老保険等の保険料。
介護医療保険料控除:医療・介護保障を目的とした保険料(新制度のみ)。
個人年金保険料控除:税制適格の個人年金保険料。
控除限度額
各区分の控除額は最大4万円(所得税)・2.8万円(住民税)。3区分合計で所得税最大12万円・住民税最大7万円の控除が受けられます。
地震保険料控除とは、居住用家屋または生活用動産を対象とする地震保険料を支払った場合に適用される控除です。
控除額
支払った地震保険料の全額(所得税の控除限度額:5万円・住民税:2.5万円)。
火災保険料は控除の対象外です(地震保険部分のみ対象)。長期損害保険料の経過措置として旧長期損害保険料控除が残存する場合があります。
配偶者控除とは、控除対象配偶者がいる場合に適用される控除です。配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入103万円以下)であることが要件です。
控除額
納税者本人の合計所得金額によって控除額が異なります。
・900万円以下:38万円(老人控除対象配偶者は48万円)
・900万円超950万円以下:26万円
・950万円超1,000万円以下:13万円
・1,000万円超:適用なし
FP試験ポイント:配偶者の収入が「103万円の壁」を超えると配偶者控除が受けられなくなります。ただし配偶者特別控除が一定額まで適用されます。
配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下(給与収入103万円超201.6万円未満)の場合に段階的に適用される控除です。配偶者控除との重複適用はできません。
控除額の概要
配偶者の所得が48万円超95万円以下(給与収入103万円超150万円以下)かつ納税者本人の合計所得金額900万円以下の場合:最大38万円。配偶者の所得増加・本人の所得増加とともに控除額は段階的に減少します。
寄附金控除とは、国・地方公共団体・認定NPO法人等への特定寄附金を支払った場合に適用される控除です。
控除額
(支払った特定寄附金の合計額-2,000円)=控除額
限度額:総所得金額等の40%相当額
ふるさと納税との関係
地方公共団体への寄附(ふるさと納税)は寄附金控除の対象です。2,000円を超える部分について所得税と住民税から控除されます。ワンストップ特例制度を利用すると確定申告なしで住民税からのみ控除を受けられます(一定要件あり)。
障害者控除とは、納税者本人や控除対象配偶者・扶養親族が障害者に該当する場合に適用される控除です。
控除額
障害者:27万円
特別障害者:40万円
同居特別障害者:75万円
寡婦控除とは、夫と死別または離婚した後婚姻をしていない女性で、扶養親族がいるかまたは合計所得金額が500万円以下である場合に適用される控除です。
控除額
27万円。ひとり親控除(35万円)とは重複適用できません。
2020年の税制改正でひとり親控除が新設され、未婚の一人親(男女とも)への控除が整備されました。
ひとり親控除とは、婚姻をしていない(または配偶者の生死が明らかでない)状態で、生計を一にする子(総所得金額等48万円以下)を有し、合計所得金額が500万円以下の者に適用される控除です。性別を問わず適用できます。
控除額
35万円
勤労学生控除とは、合計所得金額が75万円以下(給与収入130万円以下)で、かつ給与所得以外の所得が10万円以下の学生が適用を受けられる控除です。
控除額
27万円
扶養控除とは、生計を一にする16歳以上の扶養親族(合計所得金額48万円以下)がいる場合に適用される控除です。扶養親族の年齢によって控除額が異なります。
控除額(年齢区分)
一般の扶養親族(16歳以上19歳未満・23歳以上70歳未満):38万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満):63万円(大学生世代)
老人扶養親族(70歳以上):48万円(同居の場合:58万円)
16歳未満の扶養親族
扶養控除の対象外(住民税では控除あり)。児童手当の支給対象年齢であるため控除から外されています。
FP試験ポイント:年齢区分と控除額の組み合わせ(特に19〜22歳の特定扶養63万円)は頻出です。
基礎控除とは、すべての納税者が原則として適用を受けられる控除です。2020年の税制改正で金額・所得要件が見直されました。
控除額
合計所得金額2,400万円以下:48万円
2,400万円超2,450万円以下:32万円
2,450万円超2,500万円以下:16万円
2,500万円超:適用なし
FP試験ポイント:基礎控除は「48万円(所得2,400万円以下)」が基本。2,500万円超では適用ゼロになる点を押さえましょう。住民税の基礎控除は43万円です。
税額控除とは、所得控除によって算出した税額から直接差し引く控除です。所得控除(課税所得を減らす)と異なり、税額から直接1円単位で差し引かれるため、高所得者・低所得者の税率差にかかわらず控除効果が同額です。
所得控除との違い
所得控除は課税所得を減らすため実際の節税額は「控除額×税率」。税率が高い人ほど節税効果が大きい。
税額控除は税額から直接差し引くため節税額=控除額(税率に関係なく一定)。
主な税額控除の種類
配当控除・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)・外国税額控除(2級)・政党等寄附金特別控除・認定NPO法人等寄附金特別控除・その他。
FP試験ポイント:「税額控除は税額から直接差し引く→所得控除より節税効果が確実」という性質を押さえましょう。
配当控除とは、株式の配当金・投資信託の普通分配金を総合課税で申告した場合に適用される税額控除です。法人の利益に法人税が課され、その税引き後の利益から配当が支払われ、さらに所得税が課される二重課税を調整する目的があります。
控除率
課税総所得金額が1,000万円以下の部分:配当所得×10%(住民税:2.8%)
課税総所得金額が1,000万円超の部分:配当所得×5%(住民税:1.4%)
適用条件と有利不利の判断
総合課税を選択した場合のみ適用可(申告分離課税・申告不要を選択した場合は不可)。
課税所得が低い場合(概ね900万円以下):総合課税+配当控除が有利になりやすい。
株式の譲渡損失がある場合:申告分離課税で損益通算が有利。
対象外の配当
外国株式の配当・不動産投資信託(J-REIT)の分配金・外貨建MMFの分配金は配当控除の対象外です。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは、住宅ローンを利用して住宅を取得・増改築した場合に、年末時点のローン残高の一定割合を所得税額から控除できる制度です。
主な適用要件
自己居住用:取得後6か月以内に居住を開始し、控除を受ける各年の12月31日まで引き続き居住していること。
床面積:50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上)。
ローン期間:10年以上の分割返済。
本人の所得要件:合計所得金額2,000万円以下。
控除額の計算(2024年現在)
年末ローン残高×控除率(0.7%)=控除額(上限あり)
控除期間:新築住宅等は13年間、中古住宅・増改築は10年間。
省エネ性能による借入限度額の区分
長期優良住宅・低炭素住宅:4,500万円(年間最大31.5万円)
ZEH水準省エネ住宅:3,500万円(年間最大24.5万円)
省エネ基準適合住宅:3,000万円(年間最大21万円)
その他の住宅(新築):2,000万円(年間最大14万円)。ただし2024年以降の新築は省エネ基準不適合住宅は適用不可。
中古住宅:2,000万円(年間最大14万円)。
初年度は確定申告・2年目以降は年末調整
給与所得者の場合、住宅ローン控除は初年度のみ確定申告が必要。2年目以降は年末調整で処理できます。
FP試験ポイント:「控除率0.7%・新築13年・中古10年・所得要件2,000万円以下」と省エネ性能による借入限度額の区分が頻出です。
源泉徴収とは、給与・利子・報酬などを支払う者(徴収義務者)が、支払い時に所得税・復興特別所得税を差し引いて国に納付する制度です。
主な源泉徴収の対象所得と税率
給与所得:給与所得の源泉徴収税額表に基づいて徴収。年末調整で精算。
利子所得:20.315%(所得税15.315%+住民税5%)。
配当所得:20.315%(上場株式等)。
報酬・料金等:10.21%(100万円超は20.42%)。フリーランス・士業への支払い等。
支払調書・源泉徴収票
支払調書:報酬・料金等の支払者が税務署に提出する書類。支払先・支払金額・源泉徴収税額を記載。
源泉徴収票:1年間の給与額・源泉徴収税額・各種控除額が記載された書類。勤務先が年末に交付。確定申告・住宅ローン審査等に使用します。
年末調整
給与所得者について、1年間の源泉徴収税額と本来の所得税額の差額を12月の給与で精算する手続き。生命保険料控除・地震保険料控除等は年末調整で適用できます。医療費控除・雑損控除は確定申告が必要です。
確定申告とは、納税者が自ら所得・税額を計算し、翌年2月16日から3月15日までに税務署に申告・納税する制度です。
確定申告が必要な主な場合
給与収入が2,000万円超の場合。
給与所得・退職所得以外の所得合計が20万円超の場合(副業等)。
2か所以上から給与を受けている場合(一定の要件下)。
医療費控除・雑損控除・寄附金控除を受ける場合。
土地・建物・株式等の譲渡所得がある場合。
還付申告
源泉徴収税額が多すぎた場合(医療費控除・住宅ローン控除の初年度等)は、還付を受けるための申告(還付申告)ができます。還付申告は翌年1月1日から5年間いつでも可能です。
青色申告とは、事業所得・不動産所得・山林所得のある納税者が、正規の帳簿書類を作成・保存することを条件に、様々な税制上の優遇を受けられる制度です。
青色申告特別控除
最大65万円:複式簿記・貸借対照表・損益計算書の作成+e-Taxによる申告またはe-Taxによる帳簿保存が要件。
55万円:複式簿記・貸借対照表・損益計算書の作成が要件(e-Tax要件なし)。
10万円:簡易簿記による帳簿書類の保存が要件(不動産所得・山林所得も適用可)。
その他の青色申告特典
純損失の3年間繰越控除(全額)・繰戻還付(1年)。
青色事業専従者給与の全額必要経費算入(届出要)。
各種引当金・準備金の損金算入。
青色申告の承認手続き
その年の3月15日まで(新規開業の場合は開業から2か月以内)に税務署へ青色申告承認申請書を提出する必要があります。
FP試験ポイント:「65万円・55万円・10万円の3段階」「e-Taxで65万円」「承認申請は3月15日まで」の3点が頻出です。
確定申告による所得税の納付は、原則として3月15日までに行います。一度に納付が困難な場合は延納・振替納税が利用できます。
延納
納付税額の2分の1以上を3月15日までに納付し、残額を5月31日まで延納できます。延納した期間に応じた利子税が課されます。
予定納税
前年の所得税額が一定額以上の場合、その年の7月と11月に前年実績に基づく税額を2回に分けて前払いする制度。確定申告時に精算します。
電子申告(e-Tax)
インターネットで確定申告・納税できるシステム。マイナンバーカードによる本人確認が必要。e-Taxで申告することで青色申告特別控除が65万円に増額されます。
税務署長等の処分(更正・決定・加算税など)に不服がある場合、納税者は行政上の不服申立てを行うことができます。
不服申立ての手順
①再調査の請求(任意):処分をした税務署長等に対して処分を知った日の翌日から3か月以内に請求。
②審査請求:国税不服審判所に対して行う。再調査の請求を経ずに直接審査請求することも可能(処分を知った日の翌日から3か月以内)。
③訴訟(取消訴訟):審査請求の裁決を経た後に裁判所に提訴できます。
個人住民税とは、都道府県税(道府県民税)と市区町村税(市町村民税)から成る地方税です。前年の所得をもとに計算し、翌年に課税・納付します(前年所得課税)。
納税義務者
その年の1月1日現在、日本国内に住所がある個人。一定の所得以下の場合は非課税となります。
税額の構成
所得割:前年の所得をもとに計算。税率は原則一律10%(道府県民税4%+市町村民税6%)。
均等割:所得にかかわらず一定額を負担。年額5,000円(道府県民税1,500円+市町村民税3,500円)が標準。2024年度以降は森林環境税1,000円が加わります。
利子割・配当割・株式等譲渡所得割:それぞれ利子・配当・株式等の譲渡益に対して5%が課されます(所得税と合わせて20.315%)。
所得税計算との主な相違点
基礎控除:住民税は43万円(所得税は48万円)。
課税のタイミング:住民税は前年の所得に課税(翌年度課税)。所得税は当年の所得に課税。
損失の繰越:住民税では純損失・雑損失の繰越控除が所得税と同様に適用されます(確定申告が必要)。
納付方法
特別徴収:給与所得者は勤務先が毎月の給与から天引きして納付(6月〜翌年5月の12回)。
普通徴収:自営業者・年金受給者等は市区町村から送付される納税通知書で年4回に分けて納付。
FP試験ポイント:「住民税は前年所得に課税(翌年度課税)」「所得税の基礎控除48万円に対し住民税は43万円」「所得割は一律10%」の3点は頻出です。
個人事業税とは、一定の事業を行う個人に対して都道府県が課す地方税です。事業の種類によって課税される業種(法定業種)が定められています。
納税義務者と課税対象業種
70種類の法定業種を営む個人事業主が対象。製造業・小売業・サービス業・医師・弁護士・税理士など多くの業種が含まれます。農業・林業・漁業は原則非課税です。
所得と税額の計算
課税所得=事業所得(所得税計算と基本的に同じ)-事業主控除(290万円)-各種控除
税額=課税所得×税率(第1種事業:5%、第2種事業:4%、第3種事業:5%または3%)
申告と納付
毎年3月15日までに都道府県税事務所に申告(前年の事業所得を申告)。所得税の確定申告書を提出した場合は個人事業税の申告書の提出が不要。
納付は8月と11月の2回(賦課課税方式で都道府県から納税通知書が届く)。
FP試験ポイント:「事業主控除290万円」「第1種事業の税率5%」「賦課課税方式」「8月・11月の2回納付」の4点を押さえましょう。
2024年から始まった新NISAは、非課税保有期間の無期限化・年間投資枠最大360万円・生涯非課税限度額1,800万円と大幅に拡充されました。政府が推進する「貯蓄から投資へ」の中心的施策です。
旧NISAとの主な変更点
非課税保有期間:旧一般NISA5年・つみたてNISA20年 → 新NISA無期限。
年間投資枠:旧一般120万円・つみたて40万円 → 新NISAつみたて120万円+成長投資240万円で最大360万円。
売却後の枠の再利用:売却した翌年に取得価額分の枠が復活(旧NISAにはなかった機能)。
FP上の注意点
NISA口座内の損失は課税口座との損益通算・繰越控除ができません。また旧NISAからのロールオーバーはできません。
老後の資産形成を支援するため、iDeCoの制度改正が段階的に実施されています。拠出限度額の引き上げと加入可能年齢の拡大が主な変更点です。
主な改正内容(2024年12月〜)
企業型DC加入者の拠出限度額引き上げ:企業型DCとiDeCoの合算上限を月額55,000円(年金払い給付なし企業)まで拡充。
受給開始年齢の上限引き上げ:75歳まで受給開始を繰り下げ可能に。
iDeCoの税制上の三重優遇(変更なし)
①掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)、②運用益が非課税、③受取時は退職所得控除または公的年金等控除が適用。
物価上昇・賃金引き上げへの対応として、所得税・住民税の基礎控除や給与所得控除の見直しに関する議論が行われています。
定額減税(2024年分)
2024年に限り、納税者本人と扶養親族1人あたり所得税3万円・住民税1万円の定額減税が実施されました。給与所得者は月次で源泉徴収税額から控除、自営業者等は確定申告で適用。
「103万円の壁」の見直し議論
配偶者・扶養家族が就労調整の目安とする給与収入103万円(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)の引き上げに向けた税制改正議論が行われています。
税制改正は毎年行われます。試験直前に最新の改正内容を確認することが重要です。
2023年10月から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始され、個人事業主・フリーランスを含む多くの事業者に影響が生じています。
インボイス制度の影響
免税事業者はインボイスを発行できないため、取引先(課税事業者)の仕入税額控除に影響します。免税事業者が課税事業者登録を選択した場合、消費税の申告・納付義務が発生します。2割特例(税負担を売上税額の2割に軽減)等の経過措置があります。
電子帳簿保存法の対応
電子取引データの電子保存が2024年1月から完全義務化されました。事業者は電子メール等で受領した請求書・領収書をデータのまま保存する必要があります。